定価12万円のバイクで挑んだ世界選手権
8月27日(日)AM6:35 カナダ・ペンティクトン
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世界ロングディスタンストライアスロン選手権エイジグループがスタートした。
水は冷たい。
泳げないほどではないが、周りがやはり速い。あせらず、マイペースに進める。
3kmワンウェイコースは初めて。半分手前から日が昇り、ブイが見えにくくなる。
比較的大回りで泳ぎつつ、マイペースに泳ぎ続けた。とにかく抜かれ続ける。
スイムアップは足がつり、平衡感覚を失う。ボランティアさんが2人でウェットを脱がせてもらい。何度か「Are you ok?」と聞かれつつOKと答え、何とかバイクのトランジットへ。
得意のバイク。しかしながら、周りの高速状態に驚く。Ave34km/hで最初の平地区間24kmを終える。
周回コースに入った50km地点。
後輪の空気圧が下がっていることに気づく。
パンクだ。
すぐに停止し、スペアチューブに取り替えるも、空気入れが上手く操作できず、バルブが曲がってしまい、もはや出来ることがなくなった。本気でリタイヤを考える。
停止後、すぐ後ろにいたマーシャルにパンクした事を伝えると、すぐにサポートカーに連絡を取ってもらいすぐ来るとのこと。しかし、来ない。
10分ほどすると「大丈夫ですか?」とある日本人選手が止まってくれた。「僕もこれで最後ですが、このチューブを使って下さい!」と言う。信じられない気持ちでいっぱいになった。空気が入れられない旨を伝えると、「CO2ボンベしかありませんが、使って下さい」と渡された。「あとはボンベに付けるものだけ日本人に借りて下さい。もうタイムを気にせずに頑張りましょう」
負けられない気持ちだけでなく、完走しなければならい気持ちが日本人の皆にある。
気分は瞬く間に晴れていった。
声をかけられてから5分後、サポートカーが来た。迅速かつ無駄のない対応ですぐに空気を入れて、再出発できた。
レース後確認すると、停止していたのは22分間だった。
パンク後のバイクパートは順調にごぼう抜きする展開で、安心して進む。景色を楽しむ余裕も出てきた。
バイク120km終えて、ラン30kmへ。
10kmの周回コースに加え、折り返しが多く、何度も日本人選手と互いに声を掛け合う。観客の賑やかな応援も相まって、楽しくランを目標タイム+5分で終えられた。悪くない。
バイクは停止時間を除くと、目標タイムで終えていたので、ランの足が残っているか心配だったが、問題はなかった。
世界の壁が高いなら、登っていこう。いや、登ってやる。と思えた楽しい6日間でした。共に過ごしたルームメイト、日本選手団、スタッフ、そして日本からたくさんの応援と励ましがあったことに感謝します。
これからも前に進み続けます。
アイアンマンハワイに向けて…。
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BIBナンバーは5036です。
https://www.sportstats.ca/display-results.xhtml?raceid=45827